早瀬晋三書評ブログ2018年から

紀伊國屋書店「書評空間」https://booklog.kinokuniya.co.jp/archive/category/早瀬晋三に2005~15年に掲載された続きです。2015~18年に掲載されたものはseesaaブログshohyobloghayase.seesaa.net/ で閲覧できます。

2025年01月

新藤久美子『市川房枝と「大東亜戦争」-フェミニストは戦争をどう生きたか』法政大学出版局、2014年2月28日、668頁、9500円+税、ISBN978-4-588-32704-9

 市川房枝(1893-1981)は、1974年に「アジアのノーベル賞」とも呼ばれるフィリピンのマグサイサイ賞(社会指導部門)を受賞した。その返礼に、フィリピンの農民青年2人を日本に招くことになり、当時山本まつよ(1923-2021)が主催していた「子ども文庫の会」に出入りしていたわたしは、日本滞在中の世話の手伝いをすることになった。そのときのことを、山本まつよへの追悼文で、つぎのように書いている(『季刊 子どもと本』168号、2022年1月)。

「議員会館での市川先生はせんべいをかじり、自転車で団地をまわっている菅直人の話をした。当時テレビ・コマーシャルで『私作る人、僕食べる人』(一九七五年)が話題になり、市川先生らの呼びかけで「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会」が結成されたころであった。市川先生のまわりには、「すてきな」女性たちが集まっていた。将来、市民運動をしたいのか、研究者になりたいのか、と訊かれたりした。市民運動を選んでいたら、菅直人政権の閣僚になっていたかもしれない(笑)。フィリピン人青年が二人来たときの記者会見では、第二院クラブの青島幸男やコロンビア・トップなどと同席した。日本からも二人、フィリピンに派遣することになったが、女性限定だった」。

 本書序章「フェミニズムと戦争-市川房枝の「戦争協力」をどう捉えるか」のなかに、「毀誉褒貶の相半ばで」という見出しがあり、つぎのようにまとめられている。「その生涯を通して、また没後も、毀誉褒貶の激しい評価を受けてきた政治家でもあった。たしかに、女性の地位向上と政治浄化という理想に生涯をかけた不撓不屈の政治家としての高い市川評価がある。だが同時に、そうした理想主義的政治家という高い評価の背後で、眼前の喫緊の政治目的を達成するために、より高次の平和と民主主義の理念を見失った機を見るに敏な現実主義的政治家という負の評価がつきまとってきた」。

 本書の目的は、同じく「序章」でつぎのようにまとめられている。「本書で私は、そうした、二つの視座からいまいちど戦時期市川の活動と言説を実証的に検証し、そのフェミニストとしての戦争協力の意味を問い直してみたいと思う。その検証を通して、第一に、戦争状況で平和を希求するイデオロギーとしてフェミニズムがどう機能しうるのか、どこに限界があるのか、フェミニズムと戦争の関係を明らかにしようと思う。そして第二に、戦後市川の高く評価されている活動の淵源が戦前期にあるのか否か、二つの時期の断絶と連続の側面を浮き彫りにし、歴史を「つなげる」作業を試みたいと思う」。

 本書は、序章、2部全12章、終章などからなる。第Ⅰ部「市川房枝とその時代-戦争と日本型ジェンダー・ポリティックスの創生」は5章からなり、「一九三一年九月の柳条湖事件をきっかけに急激に反動化する社会で、市川がどのように平時の婦選運動を準戦時期の軍ファシズムに対応させていったかに焦点が当てられる。そして、その全体主義との葛藤のなかで市川が牽引した「婦選」運動が、どのように日本の女性たちに固有な政治とのかかわり方、つまりジェンダー・ポリティックスを編み出していったかを検証したいと思う」。

 第Ⅱ部「婦選運動家市川房枝の戦争協力-盧溝橋事件・日中全面戦争から敗戦まで」は7章からなり、そのテーマは「盧溝橋事件から敗戦に至る戦時期の市川の国策委員としての活動の全容を明らかにし、さらに日米開戦容認、本土決戦是認へ向かう市川の転向の契機と軌跡を確認することにある。そこからまず、フェミニズムが戦時下どのように機能するのかを検証する。それは準戦時期、戦時期を通して市川のフェミニズム観が、どの時点まで反戦の活動として表現されていたのか、そして転向していく過程でそのファミニズム観はどのように変化したのかを明らかにするためである。いったい戦争最終盤に市川が帰着したフェミニズムは、どのような相貌を見せているのだろうか」。

 そして、終章「歴史をつなげる」で、「準戦時期市川らの開発した婦選活動の新しい戦略が、戦時期の国策委員としての活動と、さらには戦後の政治家としての活動と、どのような連続・不連続線上にあるのかを確認したいと思う。これらの検証を通して、近代日本史上最も激動の時代に婦選運動を率いて生き抜いた市川が、戦争を知らない世代に残したメッセージは何か、その持つ意味は何かを読み解きたい」。

 著者は、「あとがき」で本書をつぎのように総括している。「私は、「告発史観」の視座からではなく、同時代の社会状況を射程に入れ、フェミニスト市川の戦時期活動の意味について、その言説と活動を軸に再検証した。そして軍ファシズムの跋扈する反動的な戦時社会で、婦選の女性たちが編み出した、特殊日本的なジェンダー・ポリティックスが、国際危機のなかで示した可能性と限界を確認した。はたして戦前日本のフェミニズムに、戦争終息に向けての国際的連帯の試みはなかったのだろうか」。

 つづけて、その検証の意図は2つあったと述べている。「第一に、フェミニズムが、戦時下にあって平和のイデオロギーとして機能するのかを明らかにすることにある。そして、そこから浮かび上がってきたことは、時代をはるかに先駆けた男女平等の政治的権利を要求するフェミニスト市川もまた、「天皇制」国家の「国民」の一人として、時代のナショナリズムを共有していたという事実にほかならない。じっさい、フェミニズムとナショナリズムは、戦時期市川の「婦選」活動を支えた相互にせめぎあう二つの価値であった。十五年戦争最終段階の国際的危機の高まりのなかで、市川のフェミニズムは、国家の生き残りを第一とするナショナリズムに飲み込まれていった」。

 「第二の意図は、平時に市川の求めた婦選の目的と戦略が、戦時下の国策委員としての活動にどうつながり、平時、戦時期の経験が戦後の活動に、どう生かされているのかを明らかにすることにある」。「市川は、戦前、戦中、戦後と近代日本史上、体制の一八〇度転換した昭和の三世代を生き抜いた、社会運動家・政治家である。はたしてクリーン・ポリティックスの旗手としての戦後市川の軌跡は、戦前、戦時の「婦選」活動の連続線上にあるのか、あるいは不連続線上にあるのか。戦時期における市川の活動を「告発」の視座からのみ見ている限り、その展望は明らかにできない」。

 そして、つぎのパラグラフで終えている。「民主主義体制にあって、世論の意思がかくも簡単に踏みにじられ、国民の意思から遊離した為政者の考える「この国のかたち」が着々とつくりあげられていく。戦後六八年間の平和を保障してくれた平和憲法自体、改憲の瀬戸際にある。生前の市川が繰り返し述べていた「二度と再び戦争の道を歩ませない」ために、彼女が歩んだ十五年戦争の軌跡を、その陥った陥穽とともに学び直したいと思う」。

 巻末の「人名索引」は、あたかも近代日本フェミニスト事典のエントリーのようだ。ひとりひとりに市川房枝との関係がある。掲載ページの多い順に並べても、なにかわかってくるかもしれない。また、市川が選択した「第三の道」である「婦選の目的でもある「婦人と子ども全体の」幸福を増進するため、政府に「ある程度協力して」戦時期の婦選活動を継続させる」とは違う、第一の道(「非戦の立場から政府が遂行する中国との全面戦争に反対し、社会的活動を一切やめ隠棲してしまう」)、第二の道(「非戦の立場から政府の戦争遂行政策に抗議し牢獄に行く」)を選択した人たちとの関係も明らかになるかもしれない。著者が、愚直に「市川の活動と言説を実証的に検証」してくれたお蔭で、つぎつぎとテーマが浮かびあがってくるはずだ。


評者、早瀬晋三の最近の著書・編著書
早瀬晋三『すれ違う歴史認識-戦争で歪められた歴史を糺す試み』人文書院、2022年、412頁、5800円+税、ISBN978-4-409-51091-9
早瀬晋三『東南アジアのスポーツ・ナショナリズム-SEAP GAMES/SEA GAMES 1959-2019年』めこん、2020年、383頁、4000円+税、ISBN978-4-8396-0322-9
早瀬晋三『グローバル化する靖国問題-東南アジアからの問い』岩波現代全書、2018年、224+22頁、2200円+税、ISBN978-4-00-029213-9

早瀬晋三『1912年のシンガポールの日本人社会-『南洋新報』4-12月から-』(研究資料シリーズ11)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2025年2月(予定)、159頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできるようになる)
早瀬晋三『戦前期フィリピン在住日本人職業別人口の総合的研究』(研究資料シリーズ10)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2024年3月、242+455頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできるhttps://waseda.repo.nii.ac.jp/records/2001909)
早瀬晋三『電子版 戦前期フィリピン在住日本人関係資料:解説、総目録』(研究資料シリーズ9)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2023年3月、234頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできる https://waseda.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=controlnumber&search_type=2&q=4989)
早瀬晋三編『復刻版 南洋協会発行雑誌-『会報』・『南洋協会々報』・『南洋協会雑誌』・『南洋』-』第1期(大正期)全12巻(龍溪書舎、2021年4月~23年1月)、第2期(昭和期)電子版(龍溪書舎、2023年12月)+『南洋協会発行雑誌(『会報』・『南洋協会々報』・『南洋協会雑誌』・『南洋』1915~44年) 解説・総目録・索引(執筆者・人名・地名・事項)』(龍溪書舎、2018年1月)全2巻。
早瀬晋三編『復刻版 ボルネオ新聞』龍渓書舎、2018~19年、全13巻+『復刻版 ボルネオ新聞(1942~45年) 解題・総目録・索引(人名・地名・事項)』龍渓書舎、2019年、471頁。

早瀬晋三「戦前期日比混血者の「国籍」について」『アジア太平洋討究』第49号(2024年10月)pp.1-17. https://www.jstage.jst.go.jp/article/wiapstokyu/49/0/49_1/_pdf/-char/ja
早瀬晋三「『南洋日日新聞』(シンガポール、1914-41年)を読むための覚書」『アジア太平洋討究』第48号(2024年3月)pp.1-66. https://www.jstage.jst.go.jp/article/wiapstokyu/48/0/48_1/_pdf/-char/ja
早瀬晋三「消える近代日本・東南アジア関係史研究-アジア史のなかの東南アジアを考える」『史學雜誌』第133編第7号(2024年7月)pp. 43-46.
早瀬晋三[書評]:太田出・川島真・森口(土屋)由香・奈良岡聰智編著『領海・漁業・外交-19~20世紀の海洋への新視点』(晃洋書房、2023年)『社会経済史研究』Vol.90, No.2(2024年8月)pp.160-64.

和田敦彦『「大東亜」の読書編成-思想戦と日本語書物の流通』ひつじ書房、2022年2月15日、351頁、2900円、ISBN978-4-8234-1129-8

 本書の主題に、「読書編成」という耳慣れない言葉が使われている。著者は、序章「<日本>を発信する」で、つぎのように説明している。「出版、印刷、流通、教育などの技術によって組織化、システム化されるのが読書という行為であり、それゆえ、これら技術の変化によって読書はつくられ、あるいはつくりかえられる。戦時期はそれが意図的に、顕著にみられる時期でもある。このように読書へと働きかける仕組みと、読者との関係を書物の広がりを通じて描き出すのが本書のもくろみだが、それを一言であらわす適当な言葉がない。本文では一言であらわす必要はないが、タイトルでは数百字で説明するわけにもゆかないため、「読書編成」という言葉で示しておくこととした」。

 本書は、序章、3部全9章、終章からなる。第一部「国内の文化統制から対外文化工作へ」は3章からなり、「大きく三つのトピックを扱っている。第一章[「再編される学知とその広がり-戦時下の国文学研究から」]で問題としているのは、戦時期に日本文学を教える大学という場である。戦時期に日本の文学や文化の価値が、教育の場でいかに作り出され、広がっていくのかを問題にしている。次[第二章「読書の統制と指導-読書傾向調査の時代」]にとりあげるのは、読書指導という場である。特に戦時下に活発化する読書傾向調査に着目し、それが読者を指導・統制する国民読書運動に結びついていく過程をとらえている。国民読書運動はまた、外地での文化工作の技術としても転用されていく。第三章[「「東亜文化圏」という思想-文化工作の現場から」]では、東南アジアへの文化工作の広範な実践を青年文化協会の機関誌『東亜文化圏』からとらえる。青年文化協会は、日本を中心とした「新興東洋文化ノ拡充強化」の人材育成を目的として掲げ、特に中国以外のアジア諸国との対外文化事業を展開していく財団法人である。いずれも、具体的に書物を教え、広げていく場を問題としている。第一部では、こうした書物を読者へと広げていく人や組織、すなわち仲介者の活動を、その資料とともにとらえていく方法をとっている」。

 第二部「外地日本語蔵書から文化工作をとらえる」は4章からなり、「日本の文化工作を、東南アジア、特に戦時期のベトナム、インドネシアへの書物の広がりと通してとらえる。書物を広げていく仲介者の資料に加え、日本が文化工作を行った現地に遺された日本語資料を重要な手がかりとしている。それが主にベトナムやインドネシアに日本から送られ、今日遺されている戦時期の日本語資料である。これらが本書でのアプローチに役立つことは言うまでもない。それは書物の広がりを、そしてまた文化工作の技術を、具体的なタイトル、形をもって示してくれるからである。第二部では、これら書物の広がりを通して、ベトナム、そしてフランスでの日本の文化工作を、現地に設置された日本文化会館や、占領、進駐した日本軍の活動の中で描き出していく」。

 第三部「流通への遠い道のり」は2章からなり、「この書物の読者への広がりをとらえるという方法を、より遠い場所への広がり、あるいは時間を隔てた広がりとして展開している。第二部では日本が進駐、占領した東南アジア地域を主な対象として論じているが、日本からさらに離れたブラジルへの広がりをもとに論じてく。それはまた、ブラジル政府による国内の文化統制の力と、日本からの移住地に向けられた文化工作の力とがぶつかり合う読書空間をとらえることともなろう。第三部ではまた、空間的な広がりのみならず、戦時期の書物が国境と時間を隔ててどう受け渡され、広がっていくのかを、南京大虐殺事件を描いた書物をもとにとらえることを試みている」。

 そして、終章「書物の流れを追いかけて」では、まず「1 書物の広がりからとらえること」で、各部で明らかになったことをまとめている。「第一部では日本の言語や文化を価値づけ、教え、広げていく大学という場をとらえていった。また、戦時下の読書指導運動を、こうした書物を読者へと広げていく技術としてとらえていった。読者を調べ、見出していく読書傾向調査と、それら読者にみあった図書の選定、さらにはそれらを読む読書会の組織化は、相互に結びつき合い、読書を統制する一連の技術となる。その技術は国内の統制のみならず、海外における文化工作においても用いられていた。海外における文化工作の多様な実践はまた、東亜文化圏の会の活動からとらえられてもいる」。「このように、第一部では戦時下の文化の統制や文化工作について、すなわち知を伝え、教え、広げていく人や組織の活動を、いわばこれら仲介者の役割を明かしていった」。

 「第二部では、これら書物の広がりを通して、ベトナム、そしてフランスでの日本の文化工作を、現地に設置された日本文化会館や、占領、進駐した日本軍の活動の中で描き出していった」。「講談ジャンルの話形をここではとりあげ、その国内での統治や、海外への文化工作に果たす物語について論じていった。中でも東南アジアにおける文化工作の中で重要な役割を果たす話形として山田長政の伝記小説群をとりあげ、それらが日本の海外発展の事蹟を物語るとともに、その事蹟の科学的な解明、発見の物語ともなっていたことを明かしていった」。

 「第三部では、この書物の読者への広がりをとらえるという方法を、より遠い場所への広がり、あるいは時間を隔てた広がりとして展開している」。「本書で対象となった国々において、日本の書物の広がりや受容は北米とは大きな[く]異なる。それは、先にふれた、なぜ本書で扱った日本語資料が戦後長く目を向けられてこなかったのかという問いにも関わっている」。

 「2 東南アジア各国の戦前日本語資料」では、東南アジア各国で「この地域への書物の広がりをとらえようと、二〇一三年から七年あまり、私は東南アジア各国の日本語資料所蔵機関を回って調査にあたっていた」成果がまとめられている。

 「3 書物の広がりのその先」では、つぎのようにまとめている。「知や情報を教え、広げる仲介者の歴史的な役割や、またそれをうかがう資料は、これまで十分にとらえられてきていない。しかしだからこそ、この領域はまだまだこれから新たな研究で掘り起こしていくことのできる可能性に充ちているのである。これからの研究者が拓いていく領域といってもよいだろう。そうした地平へと関心を向ける人々のために、本書が露払いのような役に立てばと思う」。

 本書で取りあげた「読者」とはだれのことだろうか。日本人であろうか、日本語教育を受けた現地の人であろうか。現代では、駐在員やその家族であろうか。残念ながら、本書で多く取りあげられた東南アジアで、漫画やアイドル本を流し読みする若者は山のようにいるが、日本の一般書籍を読むことのできる者はほとんどいない。ましてや本書のような学術書を読めるものは皆無に近い。「広げる」という意味が、読者自身が地域的に移動して「広がる」のか、日本語を理解する者が増えて「広がる」のか、よくわからない。日本占領下では、日本語教育によって読者が増えることを期待していたかもしれないが、実際には占領期間が短すぎてそのような読者は育たなかった。書かれている理屈はわかるが、実態との齟齬が大きいような気がした。著者が、「大東亜」で「発見」した日本語書物は、だれが、どのようなものを、どの程度読んだのだろうか。まったく読まれなかったものが多いような気がする。


評者、早瀬晋三の最近の著書・編著書
早瀬晋三『すれ違う歴史認識-戦争で歪められた歴史を糺す試み』人文書院、2022年、412頁、5800円+税、ISBN978-4-409-51091-9
早瀬晋三『東南アジアのスポーツ・ナショナリズム-SEAP GAMES/SEA GAMES 1959-2019年』めこん、2020年、383頁、4000円+税、ISBN978-4-8396-0322-9
早瀬晋三『グローバル化する靖国問題-東南アジアからの問い』岩波現代全書、2018年、224+22頁、2200円+税、ISBN978-4-00-029213-9

早瀬晋三『1912年のシンガポールの日本人社会-『南洋新報』4-12月から-』(研究資料シリーズ11)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2025年2月(予定)、160頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできるようになる)
早瀬晋三『戦前期フィリピン在住日本人職業別人口の総合的研究』(研究資料シリーズ10)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2024年3月、242+455頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできるhttps://waseda.repo.nii.ac.jp/records/2001909)
早瀬晋三『電子版 戦前期フィリピン在住日本人関係資料:解説、総目録』(研究資料シリーズ9)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2023年3月、234頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできる https://waseda.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=controlnumber&search_type=2&q=4989)
早瀬晋三編『復刻版 南洋協会発行雑誌-『会報』・『南洋協会々報』・『南洋協会雑誌』・『南洋』-』第1期(大正期)全12巻(龍溪書舎、2021年4月~23年1月)、第2期(昭和期)電子版(龍溪書舎、2023年12月)+『南洋協会発行雑誌(『会報』・『南洋協会々報』・『南洋協会雑誌』・『南洋』1915~44年) 解説・総目録・索引(執筆者・人名・地名・事項)』(龍溪書舎、2018年1月)全2巻。
早瀬晋三編『復刻版 ボルネオ新聞』龍渓書舎、2018~19年、全13巻+『復刻版 ボルネオ新聞(1942~45年) 解題・総目録・索引(人名・地名・事項)』龍渓書舎、2019年、471頁。

早瀬晋三「戦前期日比混血者の「国籍」について」『アジア太平洋討究』第49号(2024年10月)pp.1-17. https://www.jstage.jst.go.jp/article/wiapstokyu/49/0/49_1/_pdf/-char/ja
早瀬晋三「『南洋日日新聞』(シンガポール、1914-41年)を読むための覚書」『アジア太平洋討究』第48号(2024年3月)pp.1-66. https://www.jstage.jst.go.jp/article/wiapstokyu/48/0/48_1/_pdf/-char/ja
早瀬晋三「消える近代日本・東南アジア関係史研究-アジア史のなかの東南アジアを考える」『史學雜誌』第133編第7号(2024年7月)pp. 43-46.
早瀬晋三[書評]:太田出・川島真・森口(土屋)由香・奈良岡聰智編著『領海・漁業・外交-19~20世紀の海洋への新視点』(晃洋書房、2023年)『社会経済史研究』Vol.90, No.2(2024年8月)pp.160-64.

加藤聖文『海外引揚の研究-忘却された「大日本帝国」』岩波書店、2020年11月12日、296+28頁、5400円+税、ISBN978-4-00-061434-4

 「各論はあっても総論がない」というのが、これまでの「海外引揚の研究」であった。本書が目指すものは、「総論」への一歩である。

 著者は、序章「海外引揚研究の意義」で、本書の分析視角を国際的視点、社会的視点、世界史的視点の3つにまとめ、「多面的かつ重層的な視点から検証」し、「単なる悲劇の検証にとどまらない日本の脱植民地化の姿」を明らかにしようとしている。

 引揚者の総数については、終章「「大日本帝国」の清算と東アジアの脱植民地化」で、つぎのように説明している。「第二次世界大戦の敗北によって発生した海外からの軍人軍属を除いた引揚者は、公式統計によると満洲(一〇〇万三六〇九人)・大連(二一万五〇三七人)・中国本土および香港(五〇万七八五人)・台湾(三二万二一五六人)・南朝鮮(四一万六一一〇人)・北朝鮮(二九万七一九四人)・南樺太および千島(二七万七四九〇人)・南洋群島(二万七五〇六人)・東南アジア(八万五四四五人)、その他の地域(ソ連・豪・沖縄・小笠原など)を合わせて総数三一八万八〇八五人にのぼる。ただし、同じ引揚として扱われていても、戦争終結前の避難であるか、または終結後の送還であるかによって性格は大きく異なる」。「戦争終結前に行われたものは、正確には引揚ではなく疎開または避難といえるものである」。

 したがって、「本書が対象としたのは、敗戦前に戦場となって事実上喪失していた南洋群島を除いた植民地からの引揚である」。また、東南アジアについても分析対象としないとし、序章でつぎのように説明している。「南洋群島や東南アジアからの引揚に関しては、他地域に比べると在住日本人の数が少なかったこと以上に敗戦前から戦場となっていたという特殊事情を加味しなければならない。敗戦前から始まった本土への疎開や戦闘に巻き込まれての避難、敗戦前に連合国軍に保護されて収容所生活を送っていたなど戦争避難民ともいえる存在であった。また、米軍を中心とした連合軍の保護下に置かれて戦争終結直後から段階的に引揚が実施されたことも特徴として挙げられる。すなわち、米ソ冷戦や国共内戦といった政治対立が複雑に絡み合うなかで実施された満洲や北朝鮮・樺太など他地域の引揚とは歴史的背景を大きく異にする」。

 本書は、序章、全7章、終章などからなる。序章最後の「第3節 本書の構成と狙い」で、つぎの2つの課題を設定した後、章ごとに概要を述べている。「まず、第一の課題は、敗戦後の残留日本人の「引揚問題」を解明することである。この課題は、国内外の一次資料を基にして引揚実施をめぐる国内政治過程と国際政治要因からの解明を試みる。つぎに第二の課題は、引揚げた後の日本国内における「引揚者問題」を解明することである。この課題は、引揚者の手記または聞き取り調査などさまざまな資料を基にして、戦後日本社会と引揚者との関係や、引揚をめぐる歴史認識と戦争犠牲者観からの解明を試みる」。「以上二つの課題の解明を経て、最終的には海外引揚の全容、そして日本の脱植民地化の特質を明らかにする」。

 第1章「「大日本帝国」の崩壊と海外引揚問題の発生」では、「海外引揚がどのような状況下で発生し、どのようにして実行されたのかについて、国際関係の視点から明らかにする」。

 第2章「満洲国崩壊と在満日本人引揚問題-満洲」では、「引揚のなかでも最大の犠牲と悲劇を生んだ満洲引揚を取り上げ、その遠因と残留日本人が置かれた社会実態を明らかにする」。

 第3章「引揚体験にみる脱植民地化の特異性-台湾・中国本土」では、「満洲とまったく正反対の状況に置かれた国民政府支配下の台湾と中国本土からの引揚を取り上げ、日中の政治的思惑を背景とする平穏な引揚が戦後日本における中国観・台湾観の形成に影響を与えるとともに、脱植民地化の思想的基盤となったことを明らかにする」。

 第4章「ソ連の北東アジア政策と日本人引揚問題-大連・北朝鮮・南樺太」では、「満洲と同じくソ連軍が進攻した大連・北朝鮮・南樺太からの引揚を取り上げ、ソ連軍進攻によって崩壊した大戦前の北東アジア地域秩序のなかで残留日本人が置かれた状況とソ連中心の北東アジア新秩序が形成される過程を明らかにする」。

 第5章「救護から援護へ-京城日本人世話会と引揚者団体」では、「南朝鮮からの引揚を取り上げる。敗戦後に各地で結成された日本人団体のなかでもとくに積極的な活動を行った京城日本人世話会を中心に、現地での救済活動、さらには国内での引揚者援護を経て、在外財産補償要求を掲げた引揚者団体へと発展する過程を明らかにする」。

 第6章「引揚体験の記憶化と歴史認識-満洲引揚者の戦後史」では、「引揚者が戦後になってどのように自身の体験を総括し、自らの歴史認識を形成していったのかについて、引揚者のなかで多数を占め、また強烈な体験を経てきた満洲引揚者を通して明らかにする」。

 第7章「慰霊と帝国-表象された引揚体験」では、「全国で建立された引揚に関わる記念碑に着目し、第6章で扱った歴史編纂とは別の角度から戦後日本と引揚者との関わりを明らかにする」。

 終章では、「米ソ冷戦構造のなかで戦争賠償・植民地補償と戦争犯罪が曖昧にされるとともに海外引揚が引揚者援護として国内問題化した結果、大日本帝国の清算が曖昧にされ、東アジアにおける脱植民地化と向き合う機会を失ったことを指摘する」。

 そして、終章の最後に「海外引揚研究の可能性-一国史を超えて」と題して、つぎのように総括して、本書を閉じている。「海外引揚を学術的に検証することは、現在残された研究課題を克服する入り口でもある。大日本帝国崩壊から始まる東アジアの戦後史は相互に連関したものであって、一国史で捉えきれるものではない。海外引揚は、民族変動と脱植民地化による東アジアの国民国家再編の実相を反映するものであり、そこに日本列島に限らず中国大陸や朝鮮半島や台湾など島嶼部からの視点を交差させることで、一国史の枠組みを超えた立体的かつ重層的な東アジア史を提示し、国民国家そのものを問うことが可能となる。本書が対象とした海外引揚研究の意義と今後進めるべき方向性はまさにそこに求められよう」。

 最初の3つの分析視角は、日本の研究課題から東アジア、世界の研究課題になることを想定したものだろう。総論なき各論を、どう発展させていくかということでもあろう。本書からも明らかなように、「総論」は視野を広げれば広げるほど困難になる。「不可欠な一次資料の宝庫であるロシアと中国においては、アクセスが厳しいという問題を抱えている」。せめて、ロシアと中国がこれらの資料を使って「自国史」を書いてくれるといいのだが。


評者、早瀬晋三の最近の著書・編著書
早瀬晋三『すれ違う歴史認識-戦争で歪められた歴史を糺す試み』人文書院、2022年、412頁、5800円+税、ISBN978-4-409-51091-9
早瀬晋三『東南アジアのスポーツ・ナショナリズム-SEAP GAMES/SEA GAMES 1959-2019年』めこん、2020年、383頁、4000円+税、ISBN978-4-8396-0322-9
早瀬晋三『グローバル化する靖国問題-東南アジアからの問い』岩波現代全書、2018年、224+22頁、2200円+税、ISBN978-4-00-029213-9

早瀬晋三『戦前期フィリピン在住日本人職業別人口の総合的研究』(研究資料シリーズ10)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2024年3月、242+455頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできるhttps://waseda.repo.nii.ac.jp/records/2001909)
早瀬晋三『電子版 戦前期フィリピン在住日本人関係資料:解説、総目録』(研究資料シリーズ9)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2023年3月、234頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできる https://waseda.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=controlnumber&search_type=2&q=4989)
早瀬晋三編『復刻版 南洋協会発行雑誌-『会報』・『南洋協会々報』・『南洋協会雑誌』・『南洋』-』第1期(大正期)全12巻(龍溪書舎、2021年4月~23年1月)、第2期(昭和期)電子版(龍溪書舎、2023年12月)+『南洋協会発行雑誌(『会報』・『南洋協会々報』・『南洋協会雑誌』・『南洋』1915~44年) 解説・総目録・索引(執筆者・人名・地名・事項)』(龍溪書舎、2018年1月)全2巻。
早瀬晋三編『復刻版 ボルネオ新聞』龍渓書舎、2018~19年、全13巻+『復刻版 ボルネオ新聞(1942~45年) 解題・総目録・索引(人名・地名・事項)』龍渓書舎、2019年、471頁。

早瀬晋三「戦前期日比混血者の「国籍」について」『アジア太平洋討究』第49号(2024年10月)pp.1-17. https://www.jstage.jst.go.jp/article/wiapstokyu/49/0/49_1/_pdf/-char/ja
早瀬晋三「『南洋日日新聞』(シンガポール、1914-41年)を読むための覚書」『アジア太平洋討究』第48号(2024年3月)pp.1-66. https://www.jstage.jst.go.jp/article/wiapstokyu/48/0/48_1/_pdf/-char/ja
早瀬晋三「消える近代日本・東南アジア関係史研究-アジア史のなかの東南アジアを考える」『史學雜誌』第133編第7号(2024年7月)pp. 43-46.
早瀬晋三[書評]:太田出・川島真・森口(土屋)由香・奈良岡聰智編著『領海・漁業・外交-19~20世紀の海洋への新視点』(晃洋書房、2023年)『社会経済史研究』Vol.90, No.2(2024年8月)pp.160-64.

恒川惠市『新興国は世界を変えるか-29ヵ国の経済・民主化・軍事行動』中公新書、2023年1月25日、244頁、860円+税、ISBN978-4-12-102734-4

 本書は、つぎのパラグラフではじまる。「本書は、新興国の登場と成長、そして、それが世界にとって持つ意味を、正面からとりあげて分析する」。

 つづけて、本書のキーワードである「新興国」について、つぎのように説明している。「新興国は、1980年前後に、国際機関や国際投資家が「新興工業国」や「新興市場国」の名で呼び始めた国々である。これらの国々は、発展途上国の中でも、急速な工業化や豊富な天然資源の輸出によって、特に顕著な成長を遂げつつあるか、そうなる可能性が高かったので、国際金融界が「新興市場」として投資を奨励したのだった。最初は、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、チリといったラテンアメリカ諸国と、韓国、台湾、ASEAN諸国、中東産油国などが中心だったが、1990年代以降中国、インド、そしてソ連邦崩壊後のロシアが加わった」。

 本書は、はじめに、序章、全7章、終章、あとがきなどからなる。まず、序章「新興国とは何か」で「確固とした基準を示し、29の「新興国」を特定する」。そのうえで、第1章「経済発展をどう説明するか」では「経済発展について」、第2章「福祉国家形成の試練」では「社会福祉国家の形成について、これまでの経緯を明らかにし、今日新興国が直面する課題が何かを分析する」。

 第3章「民主化のゆくえ」と第4章「政治体制変動の実態」は、「利害調整が行われる場である政治体制と体制変動に焦点をあてる。1980年代以降、新興国全体としては、権威主義体制から民主主義的要素の多い体制への転換が進んだが、21世紀になって民主化のペースが鈍化し、2010年代には再権威主義体制化が顕著に見られるようになった。こうした動向の分析を、第3章では新興国全体の特徴に焦点をあてて、第4章では個々の国や地域の実態に即して行う」。

 第5章「経済的・社会的発展の政治的条件は何か」は、「第1章~第4章の議論を総合して、新興国において経済発展と社会福祉拡充を可能にする政治的条件が何かを論じる重要な章である。まず政治体制の違いが持つ意味を分析し、次いで、同じ政治体制の中で、異なった政治制度や官僚制が経済的・社会的発展に及ぼす影響に触れる」。

 第6章「国際関係への関与と挑戦」と第7章「新興国は世界を変えるか」は、「焦点を新興国の対外関係に移して、新興国の行動が世界経済や安全保障環境に及ぼしつつあるインパクトを論じる。先進国が中心となって維持してきた「自由主義的国際主義」の世界秩序に対して、中露は「国家主義的自国主義」とでも呼ぶべき新しい秩序原理を提示するに至っている。二つの世界秩序の間にはグレーゾーンがあり、他の新興国指導者は、そのあいまいさを利用して最大限の経済的・政治的利益を得ようとしている」。

 そして、終章「日本は新しい世界とどう向き合うか」のテーマを、つぎのようにまとめている。「第二次世界大戦後の日本は、「自由主義的国際主義」秩序の申し子のような存在であった。その秩序が揺らいでいる今日、日本は世界の中でどう振舞うべきか、特に世界での重要性を増している新興国の動きに、どう対処すべきか」。

 終章では、まず「新興国の経済的重要性」で、「米国とEUのシェアは1998~2000年の42%から2018~20年の27%へと激減している」と指摘し、つぎに「国家主義的自国主義への対応」で、「「国家主義的自由主義」の潮流が顕著」となるなか、日本は「世界の中での立ち位置を確かめる必要に迫られている」と述べている。

 「日本の選択肢」は、「第一に欧米諸国自身が自国主義に陥ることがないように説得する必要がある」。「第二に、多くの新興国が権威主義体制を持っていることへの対応を考えなければならない」。「第三に、新興国の多くがあいまい昧な態度をとる理由の一つは、経済的利益の確保であるので、日本は欧米諸国と協力して、これら諸国の経済的期待に応える必要がある」。

 そして、最後の「何が必要か」で、つぎのように述べて終章を結んでいる。「新興国の経済発展は、日本が彼らとの経済関係の緊密化を通して発展することに寄与し、日本が「自由主義的国際主義」秩序の下で平和と繁栄を享受することに貢献してきた。しかし同時にそれは、「国家主義的自由主義」という鬼子を産みだした。日本が「自由主義的国際主義」に同調する先進国や新興国との協力関係を深めることで、「国家主義的自由主義」を抑止するためには、経済・社会政策や国民の認識を変えていくことや、その方向性について、新しい国内的合意を形成することが必須なのである」。

 本書からも明らかなように、「国家主義的自由主義」新興国のなかには、数々の問題があるようにみえながら、経済発展している国ぐにがある。その理由のひとつは、「自由主義的国際主義」先進国が、その体制が生み出すものを全否定することなく、享受していることだろう。結果として、「国家主義的自由主義」体制を支えていることになる。享受せざるを得ないことに「自由主義的国際主義」の問題がある。それがなになのかを追求し、「国家主義的自由主義」に頼らなくてもいい体制を築いていかなければならないだろう。


評者、早瀬晋三の最近の著書・編著書
早瀬晋三『すれ違う歴史認識-戦争で歪められた歴史を糺す試み』人文書院、2022年、412頁、5800円+税、ISBN978-4-409-51091-9
早瀬晋三『東南アジアのスポーツ・ナショナリズム-SEAP GAMES/SEA GAMES 1959-2019年』めこん、2020年、383頁、4000円+税、ISBN978-4-8396-0322-9
早瀬晋三『グローバル化する靖国問題-東南アジアからの問い』岩波現代全書、2018年、224+22頁、2200円+税、ISBN978-4-00-029213-9

早瀬晋三『戦前期フィリピン在住日本人職業別人口の総合的研究』(研究資料シリーズ10)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2024年3月、242+455頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできるhttps://waseda.repo.nii.ac.jp/records/2001909)
早瀬晋三『電子版 戦前期フィリピン在住日本人関係資料:解説、総目録』(研究資料シリーズ9)早稲田大学アジア太平洋研究センター、2023年3月、234頁。(早稲田大学リポジトリからダウンロードできる https://waseda.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=controlnumber&search_type=2&q=4989)
早瀬晋三編『復刻版 南洋協会発行雑誌-『会報』・『南洋協会々報』・『南洋協会雑誌』・『南洋』-』第1期(大正期)全12巻(龍溪書舎、2021年4月~23年1月)、第2期(昭和期)電子版(龍溪書舎、2023年12月)+『南洋協会発行雑誌(『会報』・『南洋協会々報』・『南洋協会雑誌』・『南洋』1915~44年) 解説・総目録・索引(執筆者・人名・地名・事項)』(龍溪書舎、2018年1月)全2巻。
早瀬晋三編『復刻版 ボルネオ新聞』龍渓書舎、2018~19年、全13巻+『復刻版 ボルネオ新聞(1942~45年) 解題・総目録・索引(人名・地名・事項)』龍渓書舎、2019年、471頁。

早瀬晋三「戦前期日比混血者の「国籍」について」『アジア太平洋討究』第49号(2024年10月)pp.1-17. https://www.jstage.jst.go.jp/article/wiapstokyu/49/0/49_1/_pdf/-char/ja
早瀬晋三「『南洋日日新聞』(シンガポール、1914-41年)を読むための覚書」『アジア太平洋討究』第48号(2024年3月)pp.1-66. https://www.jstage.jst.go.jp/article/wiapstokyu/48/0/48_1/_pdf/-char/ja
早瀬晋三「消える近代日本・東南アジア関係史研究-アジア史のなかの東南アジアを考える」『史學雜誌』第133編第7号(2024年7月)pp. 43-46.
早瀬晋三[書評]:太田出・川島真・森口(土屋)由香・奈良岡聰智編著『領海・漁業・外交-19~20世紀の海洋への新視点』(晃洋書房、2023年)『社会経済史研究』Vol.90, No.2(2024年8月)pp.160-64.

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